光のもとでⅠ
「リィ、ここの人たちみんなこんなノリだから緊張するだけ無駄無駄」
 唯兄がそう言うと、やっぱりところどころから声があがる。
「若、ひっでーよ」
「唯だって社会人らしくねーじゃん」
「ひどいなぁ……。俺は表と裏を使い分けてるだーけーでーすっ! 表に出されるときはきちんと紳士してるし」
 たぶん、「表」というのはホテルの接客業務ということなのだろう。
「そういや、最近顔見なかったけど? またオーナーに酷使されてんの?」
「あー……それもあるけど、今囲いマンションにいるからさ」
「マジでっ!? 羨ましいっていうかご愁傷様っていうか……」
 私には意味のわからない言葉が飛び交う。
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