光のもとでⅠ
「そんなに喜んでもらえるとは恐悦至極」
気づいたらすぐそこに久先輩が立っていた。
相変わらずキャップ帽を目深にかぶっているためか、表情はあまり見えないけれど。
「あ、そういえば、久先輩は――」
話の途中で久先輩の人差し指に話すことを遮られる。
「ここでの俺の呼び名は?」
「……クゥ、さん?」
「正解。でも、敬称は取ってね?」
「クゥ、は……唯兄のことを知っていたんですか?」
「うん、若槻唯さんであることは知ってたよ? まさか、学校で会うとは思っていなかったし、翠葉ちゃんのお兄さんって肩書きで現れるとも思ってなかったけど。でも、何か理由あってのことだと思ったからスルーしてた」
気づいたらすぐそこに久先輩が立っていた。
相変わらずキャップ帽を目深にかぶっているためか、表情はあまり見えないけれど。
「あ、そういえば、久先輩は――」
話の途中で久先輩の人差し指に話すことを遮られる。
「ここでの俺の呼び名は?」
「……クゥ、さん?」
「正解。でも、敬称は取ってね?」
「クゥ、は……唯兄のことを知っていたんですか?」
「うん、若槻唯さんであることは知ってたよ? まさか、学校で会うとは思っていなかったし、翠葉ちゃんのお兄さんって肩書きで現れるとも思ってなかったけど。でも、何か理由あってのことだと思ったからスルーしてた」