光のもとでⅠ
「私、静さんにお礼言わなくちゃ……」
「「善意だけと受け取らないようにっ」」
 右と左、つまりは久先輩と唯兄に声を揃えて言われる。
「クゥ、気が合うね?」
「合いますねぇ~」
「しょせん、リィもクゥもオーナーに仕組まれただけだよ」
 唯兄は言いながら、選考済みの写真を広報部へ連絡するために携帯を手にした。
「あ、若槻っす。今、メールとデータの送信したんで確認してください。広告用のデザインが上がりしだい部長のチェックを済ませて澤村さんにデータ送信。送信直後に判決電話がくるって話だったんで、あとはそっちでよろしくです。――はーい、失礼しまーす」
 唯兄……それでもね、私はあの写真集にとても救われたんだよ。
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