光のもとでⅠ
「リィ、俺が独断で動いていたことだけど、一緒にあーやに謝ってもらっていい?」
「それはもちろん……」
 私たちはスタッフたちに挨拶を済ませ、会議室をあとにした。
「あーやはさ、シゲさん曰くすごく器用なカメラマンで、ほかのカメラマンの癖を掴んで吸収するのが早いんだって。だから、ここ数日はリィの写真を見て、なるべくリィの写真に近い写真が撮れるように研究してくれていたんだ」
 嘘……。
「さらには二日間、ブライトネスパレスへ行って、リィ目線の勉強までしてくれた。あーやに提示した条件は、最初の二年はリィにかぶる作品を撮ってリメラルドを演じること。そのあとは自分のスタイルに戻して一年以内に紅林綾女の名前で写真集を出す。そういう条件で了承してもらった」
 三年スパンの条件提示をされていたなんて申し訳なくて仕方ない……。
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