光のもとでⅠ
地下から一階へ上がる道すがら、唯兄に訊かれる。
「三十九階の俺の部屋、行き方覚えてる?」
「あ、唯兄、それなんだけど……」
「ん?」
「私、少し駅の方に行ってきてもいいかな?」
「駅?」
「うん。ハープの弦も買いたいし、行きたい雑貨屋さんがあるの」
唯兄は腕時計を見たあと窓の外に視線を移した。
「もう暗いし時間も時間だから許したくないなぁ……」
「どうしてもだめかな? 楽器店は駅向こうだけど、ここからなら歩いて十五分もかからないし、帰りに雑貨屋さんに寄っても一時間半くらいで戻るから」
「三十九階の俺の部屋、行き方覚えてる?」
「あ、唯兄、それなんだけど……」
「ん?」
「私、少し駅の方に行ってきてもいいかな?」
「駅?」
「うん。ハープの弦も買いたいし、行きたい雑貨屋さんがあるの」
唯兄は腕時計を見たあと窓の外に視線を移した。
「もう暗いし時間も時間だから許したくないなぁ……」
「どうしてもだめかな? 楽器店は駅向こうだけど、ここからなら歩いて十五分もかからないし、帰りに雑貨屋さんに寄っても一時間半くらいで戻るから」