光のもとでⅠ
「ま、警護班はすでに配置についていることだし……。俺のほうでもGPS起動させるけどいい?」
「ん……」
「じゃ、気をつけて行っておいで」
「ありがとう!」
 互いが笑顔になったあと、唯兄が「あ」と小さく声をあげた。
「リィ、マフラーしてないじゃん」
「うん。今日はオフタートルだから……」
「ダメダメ。ちゃんと首元はあっためなさい。ほい、俺のスヌード」
 唯兄は自分がしていたボルドーのスヌードを私の首にかけてくれた。
「帰ってきたら俺の部屋ね? 仕事が先に終われば俺が駅まで迎えに行くし。……リィ、約束」
 唯兄が目の前に右手を差し出し小指を立てる。
 だから、私も同じように右手を出すと小指を絡められた。
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