光のもとでⅠ
「血圧下がってる」
 言われて先輩の携帯を見せられた。
 くらくら具合に納得のいく理由を添えられた気分だった。
「ラグに横になってろ」
 言われて、トン、と肩を押されてそのままラグに転がった。
 先輩は立ち上がると廊下へ向かって歩きだす。
 きっと蒼兄を呼びに行ってくれたのだろう。
 先輩の後ろ姿を見ながら思う。
 格好いい人をどうして格好いいって言ったらいけないんだろう。わからないな……。
 ゴロリ、とほんの少し転がるとソファで横になっている海斗くんが見えた。
 寝顔はとてもあどけない。いつも太陽みたいな笑顔の海斗くんだけど、寝てるときはなんだかかわいい。
 顔のつくりが似ているからか、秋斗さんの寝顔もやっぱりこんな感じなのかな、と思う。
司先輩の寝顔は――目を閉じて想像してみるけれど、やっぱりどこにも隙なんてなさそうで、きれいにしか見えない気がする。
「翠葉、ベッドに行こう」
 声をかけられて目を開けると、蒼兄に覗きこまれていた。
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