光のもとでⅠ
蒼兄に手を伸ばすと、いつものように抱き上げてくれる。
キッチンの前を通ると栞さんが、
「あとで薬持っていくわね」
と、声をかけてくれた。
ベッドに横になるとドアまでついてきてくれた司先輩が目に入る。
途端、夕飯前にこの部屋であったやり取りを思い出す。
「翠葉?」
「あ……なんでもない」
「そうか?」
「うん」
今、上手に笑えただろうか。
せっかく訊かないでくれているのだから、私だっていつまでも気にしているわけにはいかない。
そういえば、秋斗さんと若槻さんは夕飯どうしたのかな……。今は十階の秋斗さんの家にいるのだろうか。
……やっぱり、メールか電話をして謝らなくちゃだめ?
でも、どうしてか謝る気にはなれなくて――。
それはきっと、私がきちんと納得していないからなのだと思う。
キッチンの前を通ると栞さんが、
「あとで薬持っていくわね」
と、声をかけてくれた。
ベッドに横になるとドアまでついてきてくれた司先輩が目に入る。
途端、夕飯前にこの部屋であったやり取りを思い出す。
「翠葉?」
「あ……なんでもない」
「そうか?」
「うん」
今、上手に笑えただろうか。
せっかく訊かないでくれているのだから、私だっていつまでも気にしているわけにはいかない。
そういえば、秋斗さんと若槻さんは夕飯どうしたのかな……。今は十階の秋斗さんの家にいるのだろうか。
……やっぱり、メールか電話をして謝らなくちゃだめ?
でも、どうしてか謝る気にはなれなくて――。
それはきっと、私がきちんと納得していないからなのだと思う。