光のもとでⅠ
 部屋にひとりになったことを痛感する。
 少しでも狭い部屋に身を置きたくて、木田さんの勧めどおり寝室で過ごすことにした。
 チェストの引き出しを引いてみると、ウィステリアホテルのパッケージに包まれた下着類が入っていた。
 サイズもS、M、Lと揃っている。
 これなら素泊まりのお客様にも対応ができるだろう。
 私はそれらを手に持ちバスルームへと向かった。
 バスルームにはバスローブやバスタオルが完備してある。
 それは以前の部屋と何も変わらない。
 バスタブにお湯を貼っている間に身体や髪の毛を洗い、バラの入浴剤が入ったお風呂に身を沈める。
 バスルームもそれなりの広さがあるからだろうか。
 人工的に作られた香りではあるものの、そこまできつくは香らなかった。
< 7,248 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop