光のもとでⅠ
「さすがに一日動きっぱなしだときついな……」
 心拍数がどんどん上がっていくのがわかる。
「長湯は無理ね……」
 私はすぐにバスタブから出て、我慢できる程度の水を手脚に浴びせてバスルームを出た。
 寝室に戻る前に冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し首に当てる。
 こうすることで、動脈を通った血液が冷やされ、脳に「冷やされてますよ」という信号を送ってくれる。
 でも、手っ取り早いのは外に出てしまうことだった。
 寝室から出られるテラスへ出ると、身を刺すような冷気に包まれる。
「……さすがに凍るかも?」
 出て十秒と経たないうちに部屋へ入ったけど、すでにお風呂であたたまったぬくもりはなくなっていた。
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