光のもとでⅠ
 私は携帯を手に取りバイタルを見る。
 この数値なら薬を使わなくても大丈夫。
 濡れた髪をタオルドライだけ済ませ、広すぎるベッドに横になった。
 身体は疲れ切っていて上体を起こしていることもだるいくらいなのに、頭は眠れそうにないくらいはっきりとしている。
 車の中で少し眠れたのが大きいのかもしれない。
 ベッドは窓近くに置かれており、カーテンを開けていればそこから夜空を見ることも可能だった。
 ただ、夜気がガラスを伝ってくるのがわかる。
 冷えは身体によくないとわかっていつつも、私はカーテンを閉めずに満点の星空を眺めていた。
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