光のもとでⅠ
「朗元さん、人の気持ちはどうして変わるのでしょう」
声が震えた。
寒くて身体が震えているのか、それとも声だけが震えているのかわからない。
ただ、声が震えていることだけがわかった。
「好きな人が……どうして変わってしまったのかがわからないんです」
ぽろぽろぽろぽろ。
涙が零れ、膝掛けになった毛布に落ちてははじかれる。
私の手を握ってくれていた手は頬に添えられた。
「冷たいのぉ……。ここは寒すぎる。パレスへ戻らんか?」
まるで諭すように言われた。
「この老いぼれを労わると思って」
本当はまだここにいたかった。
この、容赦のない寒さの中で自分を責めていたかった。
それこそが本当の甘えであることも知らず。
声が震えた。
寒くて身体が震えているのか、それとも声だけが震えているのかわからない。
ただ、声が震えていることだけがわかった。
「好きな人が……どうして変わってしまったのかがわからないんです」
ぽろぽろぽろぽろ。
涙が零れ、膝掛けになった毛布に落ちてははじかれる。
私の手を握ってくれていた手は頬に添えられた。
「冷たいのぉ……。ここは寒すぎる。パレスへ戻らんか?」
まるで諭すように言われた。
「この老いぼれを労わると思って」
本当はまだここにいたかった。
この、容赦のない寒さの中で自分を責めていたかった。
それこそが本当の甘えであることも知らず。