光のもとでⅠ
「っ――痛いっっっ」
「少し我慢しろ」
 マッサージは心地よさと痛みを伴うものだった。
 ほどなくして楓先生と蒼兄が蒸しタオルを持って戻ってきた。
「翠葉ちゃん、点滴を入れるのにどうしても電気を点けなくちゃいけない。蒸しタオルを目の上に置くから少しの間電気点けさせてね」
「はい……」
「司、どんな具合?」
「あり得ないほど硬い」
「やっぱりねぇ……。今から点滴で筋弛緩剤って筋肉を弛緩させる薬を入れるから、五分から十分くらいで楽になると思う。もう少しの我慢だからね」
 点滴が始まると、すぐに電気は消してくれた。
 顔の上に置かれた蒸しタオルがとても気持ちよく感じた。
 ひどい頭痛の中、気持ちよく思えることも同時に考えられるんだ……。
「司、頭のマッサージしてあげて」
 楓先生の声に、「どうして?」という疑問が浮かぶ。
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