光のもとでⅠ
「鏡、持てるかな?」
「はい、大丈夫です」
「良かった。体調、少しはいいの?」
「はい。夏は病院まで来ていただいてありがとうございました」
「どういたしまして。さ、どうかな?」
鏡を持つと、椅子をくるっと回され今まで自分の顔が映っていた鏡に後ろ姿が映る。
夏に切った髪の毛は五センチほど伸び、前髪は元のとおりに短くなった。
今まで額を少し出すような髪形だったけど、前髪を作ると顔の半分弱が隠れる感じ。
入学した頃の自分に近くなった。
久しぶりの髪型に、顔を隠す面積が増えた髪型にほっとした。
宮川さんの言うように、時間が巻き戻るわけじゃない。
時間は右回りにしか進まない。
それでも、前の自分に少しでも近づきたかったの――。
「はい、大丈夫です」
「良かった。体調、少しはいいの?」
「はい。夏は病院まで来ていただいてありがとうございました」
「どういたしまして。さ、どうかな?」
鏡を持つと、椅子をくるっと回され今まで自分の顔が映っていた鏡に後ろ姿が映る。
夏に切った髪の毛は五センチほど伸び、前髪は元のとおりに短くなった。
今まで額を少し出すような髪形だったけど、前髪を作ると顔の半分弱が隠れる感じ。
入学した頃の自分に近くなった。
久しぶりの髪型に、顔を隠す面積が増えた髪型にほっとした。
宮川さんの言うように、時間が巻き戻るわけじゃない。
時間は右回りにしか進まない。
それでも、前の自分に少しでも近づきたかったの――。