光のもとでⅠ
「変わらない。……何も変わらないよ」
 何も変わらない。
 何を変えるつもりもない。
「……でも、ふたり両思いでしょ?」
 唯兄の言葉に身を揺らすと、
「あのな、翠葉……そんなのふたりを見てればわかるよ。それに、司の気持ちなんてとっくのとうに気づいてた」
「……そう、だったの?」
 口にして思い出す。
 そうだった……。ふたりは私よりも先に司の好きな人を知っていたのだ。
「実はさ、先週の金曜日、リィがお風呂に入っているとき司っちが来たんだ」
「え……?」
「勉強を教えるって口実で、本当はなんで避けられているのかを聞きだすためだったみたいだけど」
 唯兄は言葉を続ける。
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