光のもとでⅠ
 今日の朝食は炊き込みご飯とお味噌汁と冷奴にほうれん草のお浸し。それからアジの開きだった。
 私にもみんなと同じものが並んでいて、ほんの少しだけテーブルを前に身を引く。
「なに後ずさってんのよ。食べられる分だけでも食べる努力はするっ! 目指せ、固形物の経口摂取、でしょ?」
「……はい」
 湊先生は朝から元気だ。私の中ではどうしてか朝には弱いイメージがあって、ものすごく意外なものを目にしている気分になる。
 そこへクスクスと笑った栞さんがやってきた。
「湊ね、今日は不眠不休の日なのよ。だから朝からハイテンション」
 そっか……昨夜は救命救急の応援に行ってたんだ――。
 それで朝から学校へ出勤……!?
「翠葉、心配しなくても時間見計らって保健室で寝るわよ。あそこ、寝るためのアイテムは全部揃ってるから」
 それはベッドとお布団と枕がある、ということだろうか。
「湊さんらしいなぁ……」
 言いながら蒼兄がお味噌汁をすすった。
 久しぶりに食べた和食は胃にじんわりと吸収される感じがして、とても美味しかった。
「お薬飲んだらまずは横になって消化時間を凌ぎましょう」
 栞さんに言われ、食後は薬を飲んでおとなしく横になることにした。
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