光のもとでⅠ
「今ので、俺が翠に振られたかわいそうな男って噂にすり替わったとしても、なんら問題はない」
「えっ!? 振られたって何っ!?」
「翠は知らないのか? 俺が全校生徒の前で大々的に翠に告白をしたにも関わらず、気づいてもらえないかわいそうな王子ってあちこちで言われているのを」
 何それ、知らない……。第一――、
「私、全校生徒の前でツカサに告白なんてされてないよ?」
 私がツカサに好きと言われたのは後夜祭のときだ。
 あのとき、私はツカサとふたりきりだったはず。
「だから翠は鈍いって言われるんだ……」
「え……?」
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