光のもとでⅠ
「藤宮と付き合っていくとトラブルに巻き込まれる可能性があるんだって。だから、紅葉祭のときにも私が口にする飲食物にはとても注意が払われていたし、今は十人近い警護の人がついているみたい……。守られることを拒むなら、つながりを絶つって言われたの」
「それ、いつの話?」
「先週の土曜日」
「海斗は……?」
「海斗くんはたぶん知らないと思う。 私、静さん――藤宮財閥次期会長直々に言われたから……」
「……すごい家だとは思ってたけど、そこまでとは……」
「私にも実感はないの。でも、お母さん――えと、うちの両親も藤宮の卒業生で、次期会長と友達なの。そのお母さんにも警護がついていて、蒼兄を妊娠したときには階段から突き落とされるとか、そういうことがあったみたいでね。そういう経緯があるだけに守られることを了承しなければ、ほかの学校に転校させられるところだった」
 佐野くんは絶句した。
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