光のもとでⅠ
紅葉祭という大きなイベントを十月末にできるのはこういったカリキュラムゆえのこと。
「あれ? 御園生さん、今日は部活?」
背後から声をかけられ振り向くと、赤髪がツンツンした風間先輩だった。
「いえ、これから図書棟に行く予定なんです」
風間先輩は首を捻って、
「わけあり?」
右回りでも左回りでも物理的な距離は変わらない。
それでも、たいていの人は図書棟へ向かうとき右回りのルートを行く。
だから不思議に思われたのだろう。
「少しゆっくり歩きたいな、と思って……」
「あぁ、確かに。あっち回りだと人が多いもんね?」
「はい」
風間先輩は隣に並んでいいかを私に尋ね、三文棟まで一緒に行くことになった。
「あれ? 御園生さん、今日は部活?」
背後から声をかけられ振り向くと、赤髪がツンツンした風間先輩だった。
「いえ、これから図書棟に行く予定なんです」
風間先輩は首を捻って、
「わけあり?」
右回りでも左回りでも物理的な距離は変わらない。
それでも、たいていの人は図書棟へ向かうとき右回りのルートを行く。
だから不思議に思われたのだろう。
「少しゆっくり歩きたいな、と思って……」
「あぁ、確かに。あっち回りだと人が多いもんね?」
「はい」
風間先輩は隣に並んでいいかを私に尋ね、三文棟まで一緒に行くことになった。