光のもとでⅠ
 一方、風間先輩は思考回路が止まってしまった、というよりも、動作自体が止まってしまった。 
 隣を歩いていたはずの先輩は二歩ほど後方でフリーズしている。
 先輩はあたりを確認してから口を開いた。
「ねぇ、確認。いや、確認するまでもないんだけど、御園生さんがどう解釈しているのかが不明だから確認させてもらう。あのさ、御園生さんと藤宮って両思いだよね?」
「……そう、みたい、です」
「うーわ……何、その微妙な答え。『そうみたい』じゃなくて、そうだから。……なのに、なんで付き合ってないの?」
 どうして両思いだと「付き合う」になっちゃうのかな……。
「御園生さんはどうかわからないけど、藤宮は現況に納得してないんじゃない? 今日、昼休みに御園生さんのクラスで弁当食べてたって噂が早くも出回ってるよ?」
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