光のもとでⅠ
「うん」って……それだけ?
「気づいていたよ」
「え……?」
「今月十日、病院へ送っていったときにはなんとなく気づいていた。そのあと、容赦なく避けられていたしね」
 言いながらクスリと笑う。
「あのっ、ごめんなさいっ――避けようと思って避けていたわけではなくて、ただ、どうしたらいいのかわからなくて……」
「そんなに必死にならなくていいよ。責めているわけじゃないから」
 責めてほしかった。
 怒られて怒鳴られて、そうやって責められたかった。
 私はスツールから立ち上がり、テーブルの脇に立つ。
< 7,412 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop