光のもとでⅠ
「翠葉ちゃん? 避けていたことなら本当に――」
「それもなんですけど……。私、ちゃんと謝れていないので……」
 秋斗さんは不思議そうな顔をする。
「入院するように説得しに来てくれたとき、髪の毛を切るなんてひどいことして、本当にすみませんでした。すごくたくさん……傷つけてしまってごめんなさい」
 私は頭を下げたまま頭を上げることができない。
「翠葉ちゃん、そのことはもう……」
 わかってる。
 入院中、記憶はないながらにもこの話はした。
 そのときに秋斗さんがなんて言ってくれたのかも全部覚えている。
 自己満足でしかないことだってわかっている。
 それでも――謝るほかに術がない。
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