光のもとでⅠ
 相手が怒っているとか怒っていないとかそういうことではなく――ひとりよがりだったとしても謝らずにはいられない。
 本当は、これ以上ないくらいに責められたかった。
 秋斗さんは私を責めることはなく、怒っていたわけでもないと話す。
 けれど、やっぱり私はそんな優しい言葉たちに救われることはなかった。
 自分を責めてくれる人はどこにいるだろう。
 自分を罵ってくれる人はどこにいるだろう。
 私は責められたいのだ。
 そして、楽になりたいのだ――。
「謝る」という行為は、反省し「許し」を乞うためのもののはずなのに、私は何を求めて謝っているのだろう。
 ……きっと、許しなど求めてはいない。
 夏休み、あのときは確かに「許し」を求めていたのに。
 今はどうして違うのか……。
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