光のもとでⅠ
私は馴染みあるテラスではなく、一階へ下り外周廊下を歩いて一、二年棟へ向かう。
遅くも速くもない歩調で。
ところどころ開け放たれている桜林館のドアからは、中の様子がうかがえる。
その中にサザナミくんの姿を見つけ、すぐに理美ちゃんと美乃里ちゃんの姿も見つけることができた。
突如聞こえてきた言い合いに耳を傾ける。
「んの猿っ! 待ちやがれっ」
「やだよー! ボール返して欲しかったらここまでおいでー! おーにさんこーちら、手の鳴ーるほーへ!」
「っつか、先輩受験勉強いいんすかっ!?」
「受験生にはストレス発散が必要なんですー」
遅くも速くもない歩調で。
ところどころ開け放たれている桜林館のドアからは、中の様子がうかがえる。
その中にサザナミくんの姿を見つけ、すぐに理美ちゃんと美乃里ちゃんの姿も見つけることができた。
突如聞こえてきた言い合いに耳を傾ける。
「んの猿っ! 待ちやがれっ」
「やだよー! ボール返して欲しかったらここまでおいでー! おーにさんこーちら、手の鳴ーるほーへ!」
「っつか、先輩受験勉強いいんすかっ!?」
「受験生にはストレス発散が必要なんですー」