光のもとでⅠ
「……俺、人選間違えた? 零樹さんに会いに行けば絶対に責めてもらえると思っていたけど始終あんな調子だし――碧さんに会いに行ってれば責めてもらえたのか? あれ? それって今も有効? いや、それで娘に近づくなって言われたらどうすればいいんだ?」
 自問自答を繰り返す秋斗さんに、
「秋斗さん、それは無効だと思います」
「え? 俺、声に出してたっ!?」
「はい、しっかりと……」
 秋斗さんは口元を押さえ、壁に背を預けたままずるずるとしゃがみこむ。
「緊張……してるんですか?」
「そりゃ、しないほうがおかしいでしょ?」
 少し考え納得する。でも――。
 私は秋斗さんに近づき、秋斗さんの正面で正座した。
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