光のもとでⅠ
 ツカサは嘘をつかない。
 だから、「迷惑じゃない」と言うそれは嘘ではないのだろう。
 それなら、どうしてこんなにも機嫌が悪いのか……。
「三時半、か……」
 秋斗さんの言葉に太陽の位置を確認する。
「まだ太陽はあそこにあるのに、四時を過ぎるとすぐに日が落ちちゃうんですよね」
 まだ遅い時間ではないのに、陽が早く落ちるだけでなんとなく時間を損した気分になる。
「陽が沈むと急に冷え込むから、そろそろ引き上げようか」
 秋斗さんの手が背に添えられ、私は「はい」と答えた。
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