光のもとでⅠ
 それでも、ツカサは明日もまたお弁当を持ってうちのクラスに来るのだろう。
 ずっと、このままなのかな……。
 どうしたら普通に話せるんだろう……
 秋斗さんはふたりになってからも道端に咲く花を話題にしたり、仕事中の唯兄の話をしてくれたり、ありとあらゆる話題を振ってくれる。
 私は相槌を打ったり笑ったり、会話に困ることなく一緒に歩くことができた。
 こういうの、全部秋斗さんの気遣いなのに……。
 わかっていて、それに甘えているだけの自分が少し嫌だった。
 でも、どうやっても自分から話題を提供できる気はしなくて、結果的に秋斗さんに甘えていることになる。
 何が嫌なのかわかっているのにどうすることもできない自分が嫌だった――。
< 7,467 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop