光のもとでⅠ
 私道から藤棚まではツカサとふたりで歩いたけれど、とくにこれといった会話はしなかったし、藤棚に着いてからは秋斗さんと少し話したくらいで、あとは写真を撮ることに没頭してしまった。
 どうにもこうにも一緒にいた時間が短すぎる……。
『翠葉……?』
「あ、あのねっ、今カフェの前で、秋斗さんが蒼兄も呼んで一緒にお茶しませんか、って」
『今から?』
「うん……」
『……んー、帰れるといえば帰れるんだけど、帰る準備に十五分くらいかかる。秋斗先輩時間大丈夫かな?』
「訊いてみるね」
 私は通話口を押さえ、秋斗さんに向き直った。
 振り向いた瞬間に目が合ったから、少し驚いた。
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