光のもとでⅠ
「どうしよう……」
 自分を抱き締めるように自身の腕をぎゅ、と握ると、バングルの存在に気づく。
「っ……GPS機能――」
 ふと携帯にGPS機能が搭載されていることを思い出した。
 一瞬秋斗さんの顔がよぎったけれど、急ぎではない。
 私にとってはとても大切なもので今すぐどこにあるか知りたいけれど、緊急事態ではない。
 それなら、帰ってから唯兄か蒼兄に携帯の場所を探してもらうべきだ。
 帰ろうっ――。
 帰って唯兄に調べてもらおう。
 学校にあるのなら、もう一度戻ってくればいい。
 算段が立てばあとは行動に移すのみ。
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