光のもとでⅠ
桜香苑は広い。
池のほとりといわれても、池の周り全部が「ほとり」だ。
「どこ」という指示はなかった。
私は池から少し離れた場所で立ち止まる。
「こういうとき、人目につくところは避けるよね」
カメラを思い切り引いた状態、広角で目の前の風景を捉える。
何かひとつを注視するのは日常的にしていることだけれど、こうやって全体を見渡すことはめったにしない。
しかも、冷静に、分析するように景色を見たことなど一度もなかった。
高等部の敷地図を頭に思い浮かべ、目の前の風景と重ね合わせる。
池の向こう、人がいる弓道場側ということはない。
向かって左側が車の通る道路があるからそこでもない。
人通りを考えれば橋の手前というのも考えがたい。
あるとしたら橋の右側、奥の方。
池のほとりといわれても、池の周り全部が「ほとり」だ。
「どこ」という指示はなかった。
私は池から少し離れた場所で立ち止まる。
「こういうとき、人目につくところは避けるよね」
カメラを思い切り引いた状態、広角で目の前の風景を捉える。
何かひとつを注視するのは日常的にしていることだけれど、こうやって全体を見渡すことはめったにしない。
しかも、冷静に、分析するように景色を見たことなど一度もなかった。
高等部の敷地図を頭に思い浮かべ、目の前の風景と重ね合わせる。
池の向こう、人がいる弓道場側ということはない。
向かって左側が車の通る道路があるからそこでもない。
人通りを考えれば橋の手前というのも考えがたい。
あるとしたら橋の右側、奥の方。