光のもとでⅠ
梅香苑の手前、弓道場と桜香庵の間はそれほど人通りがあるわけではないけれど、桜香庵からの見晴らしを良くする都合上入り組んではいない。
桜香庵の手前なら――?
あそこは桜の木の合間に背丈の高いツツジもある。
私は桜香庵に続く道の途中で左に逸れた。
塗装された小道を外れると木々を分け入り、枯れてベージュ色に変わりつつある草の上を歩く。
道などない。けれど、私は躊躇うことなく目的地に向かって歩いた。
池に近づくと、木陰に人がいた。
カサリ――落ち葉を踏んだ音でその人が振り返る。
髪の毛は長く、腰まである黒いストレート。
目は、飛鳥ちゃんのようにきれいなアーモンド形で黒目が大きい。
唇は血色のいいピンク色でリップを塗っているのか、艶やかに光って見える。
全体的に大人っぽい印象でお嬢様然としている人。
もっとも、この学校にはお嬢様然とした人が数多くいるわけだけど……。
桜香庵の手前なら――?
あそこは桜の木の合間に背丈の高いツツジもある。
私は桜香庵に続く道の途中で左に逸れた。
塗装された小道を外れると木々を分け入り、枯れてベージュ色に変わりつつある草の上を歩く。
道などない。けれど、私は躊躇うことなく目的地に向かって歩いた。
池に近づくと、木陰に人がいた。
カサリ――落ち葉を踏んだ音でその人が振り返る。
髪の毛は長く、腰まである黒いストレート。
目は、飛鳥ちゃんのようにきれいなアーモンド形で黒目が大きい。
唇は血色のいいピンク色でリップを塗っているのか、艶やかに光って見える。
全体的に大人っぽい印象でお嬢様然としている人。
もっとも、この学校にはお嬢様然とした人が数多くいるわけだけど……。