光のもとでⅠ
 人を叩いたのなんて初めて。
 時間が経っても右手はじんじんとしている。
 きっと、この手と同じくらいこの人は痛い思いをしただろう。
 それでも許せそうにはない。
 何度叩いても罵っても許せる気がしない。
 ならば、この人にはもう用はない。
 背後にいるであろうツカサに言う。
「人を叩いたわ……。これ、暴力っていうのでしょ? 状況はその人と変わらないはず。証人はふたり。ちゃんと学校長に伝えてね。その人が処分を受けるのなら、私にも同等の処分を――」
 あとのことはどうでも良かった。
 処分とかそんなの、どうでも良かった。
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