光のもとでⅠ
携帯が、携帯が池に落ちた。
今は池の底にある。
携帯が着水したのは岸辺から一メートルほどのところ。
今探せば見つかるかもしれない。
吸い寄せられるように池へ近づくと、後ろから力任せに引っ張られた。
「池に入るつもりじゃないだろうなっ!?」
「放してっっっ。それの何が悪いのっ!?」
「携帯なんて替えがきくだろっ!?」
「きかないっ。替えなんてきくわけないでしょっ!? いただいたストラップもとんぼ玉も、唯兄の大切な鍵もっ、メールのやり取りも録音してあった声も――替えのきくものなんてひとつもないっっっ」
力いっぱいツカサの手を振りほどく。
「お願いだから放っておいてっ」
再び池がある方へと身体を向けると、バサリ、と背中に何かがかけられた。
今は池の底にある。
携帯が着水したのは岸辺から一メートルほどのところ。
今探せば見つかるかもしれない。
吸い寄せられるように池へ近づくと、後ろから力任せに引っ張られた。
「池に入るつもりじゃないだろうなっ!?」
「放してっっっ。それの何が悪いのっ!?」
「携帯なんて替えがきくだろっ!?」
「きかないっ。替えなんてきくわけないでしょっ!? いただいたストラップもとんぼ玉も、唯兄の大切な鍵もっ、メールのやり取りも録音してあった声も――替えのきくものなんてひとつもないっっっ」
力いっぱいツカサの手を振りほどく。
「お願いだから放っておいてっ」
再び池がある方へと身体を向けると、バサリ、と背中に何かがかけられた。