光のもとでⅠ
 ふたりは躊躇することなく池に向かう。
 ザバ、とツカサが息継ぎに上がってくると、
「司、楽しそうなことしてるじゃん?」
 慣れた様子で優太先輩がトプン、と池に入った。
「準備運動はバッチリしてきたから! おまけに視力もいいよ!」
 久先輩は私に向かってそう言うと、
「寒中水泳バンザーイっ!」
 十二月目前の冷たい池に飛び込んだ。
 ザバン、と一際大きな水しぶきが上がる。
「……ふたりとも物好きだな」
 ツカサの言葉にふたりはにっ、と笑う。
「「物好きじゃなくて、友達だから」」
 久先輩と優太先輩が声を揃えて言うと、司の両脇にいたふたりが潜った。
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