光のもとでⅠ
 警備員さんが三人にバスタオルを渡す中、ツカサはヘッドライトを警備員さんに押し付け、バスタオルは受け取らずに私のもとまでやってきた。
 ツカサの手に携帯が握られていた。
 シルバーの薄い携帯。
 ストラップもついているしとんぼ玉も割れていない。
 唯兄の鍵もちゃんとついている。
 ――良かった。
「必要以上の心配をさせるな」
 とてもきつい口調で言われた。
 とても険しい顔つきで、鋭い目で。
「そんなの、誰も頼んでないっっっ」
 どうしてこんなことを言ってしまったのか……。
「ありがとう」と言わなくちゃいけなかったのに。
「ごめんね」と言わなくちゃいけなかったのに。
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