光のもとでⅠ
「俺たちに関わるというのはこういうことだ。こういうことも全部含めて『関わる』という。情報戦は日常的に行われているし、相手に止めを刺すためなら今みたいな状況が目の前で起こったとしても、命に関わらない限りはこっちが有利になるように事を運ぶ。そういう家だし一族だ」
 こんなツカサを未だかつて見たことがなかった。
 突き放すような物言いは今までにもされたことがある。
 でも、今回のこれは今までのものとは違う。
 怒鳴られた衝撃よりも、目の前のツカサに戸惑う。
 壊れてしまうのではないかと思うほど、苦痛に歪んだ表情をしていた。
 苦痛ではなく怒りだったかもしれない。
 ツカサは一瞬だけ目を逸らし、私に戻す。
「今からでも遅くないと思う」
 怒声ではない。ツカサ特有の低く静かな声。
 けれど、そこに温度を感じることはなかった。
 感じられなかった。
 今まで交わした言葉の中で、一番冷たい響きをしていた。
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