光のもとでⅠ
「はい」
「俺」
 蒼兄の声だった。
「どうする?」
「会いたい……」
「どうぞ」
 お母さんが言うと、蒼兄が入ってきた。
「蒼に……」
「……ひどい顔だな」
 苦笑して言われる。
 ふたりに言われたのだから、相当ひどい顔をしているのだろう。
「風呂にお湯張ってきた。あたたまってサッパリしておいで」
 蒼兄の手が頭に乗せられる。
「バスルームはすぐそこよ。廊下のドアは閉めてあるから、待ってる人のことはひとまず置いておいて、お風呂に入りなさい」
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