光のもとでⅠ
 私が答えずにいると、
「蒼樹、強制連行」
「了解」
 お母さんにお布団を剥がされ蒼兄に抱き上げられた。
「下着とルームウェアは私が持っていくわ。――そうね、制服のままお風呂に落としておいてくれる?」
「は?」
「だから、制服のままバスタブに落としてって言ったんだけど?」
 私も驚いたけれど、蒼兄も同じように驚いた顔でお母さんを見ていた。
「いいからとっとと行くっ!」
 蒼兄は首を傾げながら私を運ぶと、制服を着たままの私をバスタブに下ろした。
「ゆっくりあたたまれよ……って、なんか変な感じだけど」
 言いながら蒼兄はバスルームを出ていき、代わりにお母さんが入ってきた。
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