光のもとでⅠ
「起きてたのね」
 入ってきたのはお母さんだった。
「唯と話してたの?」
 コクリ、と頷く。
 お母さんは唯兄を見て、「ふぅん」と意味深に笑ってみせる。
「一応あんちゃんですから? リィのシャットアウト機能なんて突破してやりますよ。いつまでもあれを突破できるのがあんちゃんだけだと思ったら大間違いっ」
 お母さんはふわりと笑った。
「バカね……。一応じゃなくて立派にお兄ちゃんでしょ?」
 唯兄の頭を軽く小突くと、唯兄は少し照れくさそうに笑った。
「起きているなら少しくらい何か口にしなさい。スープくらいは飲めるでしょう?」
 ゆっくりと身体を起こし、飲むことを伝える。
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