光のもとでⅠ
「唯兄……押しかけてしまうほうが気分的には楽な気がするのはどうしてだろう?」
唯兄はきょとんとした顔を見せたあと、すぐに笑いだす。
私は意気地なしで情けない自分を疎ましく思いながら唯兄を見ていた。
「そんなのさ、たぶんどこでも一緒。クゥのマンションへ行ってインターホンを押すときには今と同じ気持ちになるんじゃない?」
「それは電話してから行ってもインターホンって最後の砦があるから勇気二回分必要ってことにならない?」
今度はゲラゲラと笑いだした。
「そっちに変換したかっ! とりあえず、まずは電話。電話に出てくれないようなら強行突破を考えよう。――ほら、押しちゃった」
「えっ!?」
気づいたときには唯兄に通話ボタンを押されたあとだった。
唯兄はきょとんとした顔を見せたあと、すぐに笑いだす。
私は意気地なしで情けない自分を疎ましく思いながら唯兄を見ていた。
「そんなのさ、たぶんどこでも一緒。クゥのマンションへ行ってインターホンを押すときには今と同じ気持ちになるんじゃない?」
「それは電話してから行ってもインターホンって最後の砦があるから勇気二回分必要ってことにならない?」
今度はゲラゲラと笑いだした。
「そっちに変換したかっ! とりあえず、まずは電話。電話に出てくれないようなら強行突破を考えよう。――ほら、押しちゃった」
「えっ!?」
気づいたときには唯兄に通話ボタンを押されたあとだった。