光のもとでⅠ
「私っ、あのっ――翠葉っ、ですっ」
いつもなら、「着信見れば誰からかかってきてるかくらいわかる」と返されそうなところでも何を言われることもない。
通話がつながっているかどうかはディスプレイに表示される通話時間しか証明してくれない。
怖い――電話だけだと怖い。顔を見たい――。
「ツカサっ、今から会いに行くからっ、だから会ってねっ」
私はそれだけを言うと、一方的に通話を切った。
あまりにも怖くて、手が震えて携帯を落としてしまう。
そんな私を見ていた唯兄が、お腹を抱えて笑いだす。
「何、今のっ!」
「だ、だって、ツカサ何も喋ってくれないし……」
「喋ってくれない以前に、リィ、自分の名前しか言ってないじゃんっ!」
「そうだけどっ……。だって、怖いんだもの。携帯じゃ顔が見えなくて怖かったんだもの……」
いつもなら、「着信見れば誰からかかってきてるかくらいわかる」と返されそうなところでも何を言われることもない。
通話がつながっているかどうかはディスプレイに表示される通話時間しか証明してくれない。
怖い――電話だけだと怖い。顔を見たい――。
「ツカサっ、今から会いに行くからっ、だから会ってねっ」
私はそれだけを言うと、一方的に通話を切った。
あまりにも怖くて、手が震えて携帯を落としてしまう。
そんな私を見ていた唯兄が、お腹を抱えて笑いだす。
「何、今のっ!」
「だ、だって、ツカサ何も喋ってくれないし……」
「喋ってくれない以前に、リィ、自分の名前しか言ってないじゃんっ!」
「そうだけどっ……。だって、怖いんだもの。携帯じゃ顔が見えなくて怖かったんだもの……」