光のもとでⅠ
 昨日膝丈の制服はクリーニングに出してしまったから、今私が着ているのはロング丈の制服。
 クリーニングが終わっているかはわからない。
 エントランスに下りて出来上がっていればボレロを受け取ればいいと思った。
 どちらにせよ、ブラウスとワンピースの上にはコートを着るのだから、見た目的には何も変わらない。
 玄関でコートの袖に腕を通していると、廊下の先のドアが開いた。
 お母さんが口元を手で押さえ、クスクスと笑いながらこちらに向かって歩いてくる。
「私の娘らしいけど、こんな時間に行くとはね。制服、クリーニングから戻ってきてるらしいから下で受け取っていきなさい」
 お母さんは電話でコンシェルジュに確認を取ってくれていたらしい。
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