光のもとでⅠ
50
外は暗い。
もうすぐ人が起きだす時間だというのに、そんな気配が微塵も感じられないほどに。
腕時計を確認すると五時十分前だった。
屋内駐車場に止めてあっても車に夜露はつくらしい。
水滴のひとつひとつに右手の人差し指をつけると、小さな雫が指についた。
冷たいとは思わなかった。
「リィは助手席。前の方がすぐにあったかくなるから」
唯兄に促されるまま助手席に乗り込む。
走り出した車は藤山をぐるりと囲む公道に出たものの、車は一台も走っていない。
市街へ通じる通りに出て、ようやくほかの車との行き交いがあった。
交通量が少ないこともあり、思っていたよりも早くにマンションに着いてしまう。
再度時計を確認すると、五時二分だった。
もうすぐ人が起きだす時間だというのに、そんな気配が微塵も感じられないほどに。
腕時計を確認すると五時十分前だった。
屋内駐車場に止めてあっても車に夜露はつくらしい。
水滴のひとつひとつに右手の人差し指をつけると、小さな雫が指についた。
冷たいとは思わなかった。
「リィは助手席。前の方がすぐにあったかくなるから」
唯兄に促されるまま助手席に乗り込む。
走り出した車は藤山をぐるりと囲む公道に出たものの、車は一台も走っていない。
市街へ通じる通りに出て、ようやくほかの車との行き交いがあった。
交通量が少ないこともあり、思っていたよりも早くにマンションに着いてしまう。
再度時計を確認すると、五時二分だった。