光のもとでⅠ
 できることを精一杯――謝るという行為は「ごめんなさい」を口にするだけでいいのだろうか。
 許してもらうために、ほかにはどんな手段があるのだろう。
 頭を下げ、必死に謝りながらそんなことを考えていた。すると、
「そんな簡単に答えを出していいわけ?」
「……え?」
 上体を起こし、ツカサに視線を向けるも、ツカサの姿勢は変わらない。
 相変わらず体育座りをしている膝の上に両手を軽く組み、下を向いたまま。
 漆黒の髪の向こうでどんな表情をしているのだろう……。
「せっかく与えられたチャンスなのに、そんな簡単に答えを出していいのか、って訊いてる」
 私の大好きな、静かで低い声が冷淡に告げる。
 それでいいのか、と。
 私に届くのはツカサの声だけだった。
 そして、私がツカサへ向けた謝罪も声しか届かなかったのではないか、と思う。
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