光のもとでⅠ
51
慌てて離れようとすると、ツカサに腕を掴まれた。
力加減など一切なしに。
バランスを崩した私はツカサ側に傾く。
「勝手に人の中に入ってきて、勝手に出ていくなっ――」
押し殺すような、それでも抑圧のきかない声。
言葉の内容よりも、声音に気を取られた。
腕に力がこもり、無造作に引き寄せられる。
咄嗟に手を出したけれど、右手はツカサの胸に、左手は何を得ることもなく宙を彷徨った。
手で身体を支えることができず、ツカサの腕や足にアンバランスに体重がかかる。
体重のかかる支点に圧迫感を覚えたけれど、どうすることもできなかった。
力が入らない……。
ツカサの力ばかりを強く感じ、自分の身体には全く力を入れることができなかった。
力加減など一切なしに。
バランスを崩した私はツカサ側に傾く。
「勝手に人の中に入ってきて、勝手に出ていくなっ――」
押し殺すような、それでも抑圧のきかない声。
言葉の内容よりも、声音に気を取られた。
腕に力がこもり、無造作に引き寄せられる。
咄嗟に手を出したけれど、右手はツカサの胸に、左手は何を得ることもなく宙を彷徨った。
手で身体を支えることができず、ツカサの腕や足にアンバランスに体重がかかる。
体重のかかる支点に圧迫感を覚えたけれど、どうすることもできなかった。
力が入らない……。
ツカサの力ばかりを強く感じ、自分の身体には全く力を入れることができなかった。