光のもとでⅠ
「最初から翠に話していれば良かったんだ。そしたら、携帯が池に落ちても翠が傷つくことはなかった」
全部自分が悪い――ツカサはそんなふうに話を進める。
でも、誰が悪いとか何をどうすればうまくいったとか、過ぎてみないとわからないこともあると思う。
何もかも、すべてが最初からうまくいく人はどのくらいいるのかな。
ふと、昨夜お母さんに言われた言葉を思い出す。
――「何も間違わずに、一度も誤解することなく人生を歩める人なんているのかしらね? きっと、そんな人はいないんじゃないかしら。もしいたとしても、そんな人生は小さくて狭くてつまらないものだと思うわ。間違いを犯すから人間で、間違いを認められるから、改められるから人間なのよ。せっかく考える能力や思っていることを伝える言語能力がある生き物なんだから、もっと有効活用しなくちゃ」
全部自分が悪い――ツカサはそんなふうに話を進める。
でも、誰が悪いとか何をどうすればうまくいったとか、過ぎてみないとわからないこともあると思う。
何もかも、すべてが最初からうまくいく人はどのくらいいるのかな。
ふと、昨夜お母さんに言われた言葉を思い出す。
――「何も間違わずに、一度も誤解することなく人生を歩める人なんているのかしらね? きっと、そんな人はいないんじゃないかしら。もしいたとしても、そんな人生は小さくて狭くてつまらないものだと思うわ。間違いを犯すから人間で、間違いを認められるから、改められるから人間なのよ。せっかく考える能力や思っていることを伝える言語能力がある生き物なんだから、もっと有効活用しなくちゃ」