光のもとでⅠ
 私はその話をツカサに話した。
「今回のこれは……もっとよく考えれば避けられたはずだ」
 ツカサは間違えた自分を許そうとはしない。
 前から思っていたけれど、ツカサは自分にも他人にも厳しいうえに完璧主義者だ。
 今、より強くそう思う。
「私も……もっと考えて、もっと周りをよく見て、人と話したことも全部覚えていたら、瞬時に思い出せていたら、あんな言葉をツカサに言わなかった。……でも、言っちゃった。絶対に言っちゃいけない言葉だったのに、言っちゃった。言ったあとで気づいた。私のそれとツカサのこれは何が違うの?」
 ツカサは黙り込む。
「ツカサが自分を許さないのなら、ツカサが私を許してくれても私は自分を許せない。ツカサは許されたいと思ってる? 私は許してほしくてここに来たんだよ?」
 何をどう説明したらいいのかわからなかった。
 ただ、許してほしい。 
 私のことも、ツカサ自身のことも。
< 7,590 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop