光のもとでⅠ
「俺が怒っていたのは――」
その言葉にドキリとする。
「翠が自分の身体よりも携帯を優先したからだ」
言われたことに少し気が抜けた。
そんなことだとは思いもしなかったから。
「……だって、大切なものなんだもの。ダミーにすり替えられていたのなんて知らなかったし、何よりも――」
データは本体さえ回収できれば唯兄がどうにかしてくれるかもしれないと思った。でも、ストラップやとんぼ玉、鍵に変わるものはない。それが壊れてしまったら、なくなってしまったら、私はどうしたらいいのかがわからない。
申し訳ないとかそういうことではなくて……それらは分身だから。
私にとっては秋斗さんであり、ツカサであり、唯兄だから。
その言葉にドキリとする。
「翠が自分の身体よりも携帯を優先したからだ」
言われたことに少し気が抜けた。
そんなことだとは思いもしなかったから。
「……だって、大切なものなんだもの。ダミーにすり替えられていたのなんて知らなかったし、何よりも――」
データは本体さえ回収できれば唯兄がどうにかしてくれるかもしれないと思った。でも、ストラップやとんぼ玉、鍵に変わるものはない。それが壊れてしまったら、なくなってしまったら、私はどうしたらいいのかがわからない。
申し訳ないとかそういうことではなくて……それらは分身だから。
私にとっては秋斗さんであり、ツカサであり、唯兄だから。