光のもとでⅠ
「静さんに選択を迫られたとき、すごく動揺した。でも、ちゃんと考えて出した答えなんだからっ。そっちこそ簡単にそんなこと言わないでっ。何度も変な選択突きつけないでよっ」
 ツカサとの距離は相変わらず至近距離だ。
 三十センチと離れていない距離で、こんな文句を言ったのは初めてかもしれない。
 言いたいことの大半を口にしたら勢いをなくした。
 それでもまだ言いたいことがあって、私は再度口を開く。
「誤解したら解けばいいって教えてくれたのツカサなんだからね? ちゃんとお手本見せてよ……」
 今の私は、風船を勢いよく膨らまし、一気に空気を抜いた状態だと思う。
 肉厚だったゴムが一度伸びてふにゃふにゃしている、そんな感じ。
「……何か言ってよ」
 催促すると、「悪い」と一言謝られた。
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