光のもとでⅠ
 すると、小さく「俺も」と返事があった。
 携帯に向かって話しているわけではない。
 でも、時間柄なのか、ふたりの距離の問題なのか、私たちの会話は携帯の向こうに筒抜けだった。
『じゃぁさ、握手して仲直りってことにすればいいと思うよ』
 久先輩に言われて納得した。
「ツカサ、握手したら仲直りみたい」
 ツカサもたぶん納得したのだろう。
 右手を差し出され、私は携帯を左手に持ち替える。と、その手に自分の右手を重ね、ツカサのあたたかい手をぎゅっと握った。
「仲直り完了?」
「……そうなんじゃないの?」
 ツカサは少し困惑した顔で、それでも一応納得しているふうに返された。
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